MERYの男性版WEBメディアともいえるマテリアル。
その運営会社の代表ブログの記事が話題になっていたので、それに言及したいと思います。
記事の概要
この「インターンを雇って失敗した話」という記事は、瞬く間にブックマークが付き、数は600を超え、ネガコメがほとんど。
これ系で話題になるのは、「会社は学校じゃねぇんだよ」が記憶に新しいところ。
もう2年前か・・・。
今回の記事の概要を簡単に説明しますと、
時給1,000円でインターン受け入れた
↓
代表は、インターンに「変革」の期待をしていた
↓
そのため、意見や企画を出しやすいような雰囲気を作ってあげた
↓
その努力もむなしく、インターンは使えなかった
↓
今後有償のインターンは取りやめます
と、ざっくりこんなところでしょうか。
問題は認識のズレ?
そもそも、インターン採用の際に代表が期待をかけていたのは次の2点。
時給は1000円。無償のインターンが多く存在する中、設立半年の会社としては頑張った方だ。今回、狙いは2つあった。
・メディアへの若い意見の反映
・安定志向の社員への刺激
確かに、大学生ならではの意見や、自分らより下の子達が頑張っている姿を見たら、社員も奮起するはずだ、と期待をかけることもわかります。
一方、大学生らはどういう意識で臨んでいたのでしょうか?
2人に共通していたのは、「やる気」があるように見えて、口だけであり行動が伴わなかった点だ。1人は、このインターンのためにはるばる地方から出てきていたのに、インターンの仕事に全力を注がず、おのぼりさん気分で遊びに注力してしまったという印象。MTRLという組織に参加することが目的化してしまっていた。うちみたいな会社には多い。この手のバカが。ミーハーが。
はたから見ていたら、思い出作りの延長でしかなかった。アウトプットは0だけど、モデルや有名人との記念写真でカメラロールと承認欲求が満たされたんだろうな、と思った。
もう1人も、とにかく自分に甘い性格だった。そして、怒られた経験がないようだった。仕事なんてたいして任せてもないのに、目の前のことにいっぱいいっぱいになり過呼吸になるような、そんな子。真面目なことは悪いことではないんだけどね、せっかくインターンに来てるのに、自分の意見を発言することができない、やりたいことを口に出して言えない、自分に甘い。
なるほど、この文章から読み取るに、とりあえずインターンしたかった学生なのかもしれません。
この時点で、両者の間に認識が大きくズレていることがわかります。
そもそも、インターン生達はどういう動機で参加したのでしょうか。そりゃ、受け入れてもらいたいから、面接では聞こえのいいことを言うに決まってます。
もし、インターンに参加することだけが目的で、あくまで就活に有利にするための材料作りであるなら、もうその時点で、いくら期待をかけようとも糠に釘刺すようなものですね。
過度の期待はかけるべきではない
過度の期待は時に負担になることもあります。
特に、今回は時給1,000円のインターンです。ほぼアルバイトと変わりありません。
月給にすると、1日8時間×20日の稼働時間で考えても、16万といったところでしょうか。
一般の基本給以下なんです。
僕が思うに、給料以上の期待をかけてはいけないということ。
仮に月給が20万なら、20万分の仕事を期待する分には構いませんが、30万、40万分の仕事を期待するのはとんでもないということ。
よく、給料以上の働きをすることが大切だなんて自己啓発本とかに書かれてありますが、それはあくまで社員の自由だし選択。
それをトップが求めてはいけないと思ってます。
以前、雇った社員が自分の思うように動いてくれなくて、「どうしてきちんとした働きをしてくれないんだろう?」と疑問ばかり浮かんでいました。正直、悩みの種。
しかし、給料振込み作業の際、
「あ、そうか。俺はこの人にこれだけの給料しか渡していない。そら、そうだ。自分は給料以上の期待をしていた。」
ということに気づき、それ以来その悩みはなくなりました。
もっとも、中には給料分の働きをまともにしなかった人もいますがwww
それも採用のリスク。リスクもあればリターンもあるわけで、給料以上の働きをしてくれた人は何人もいます。きちんと昇給しましたよ。
今回の件で言うなら、インターンならおそらくフル出勤ではなかったでしょうから、16万以下の水準といえます。
だから、ちょっと期待が大きかったのかもしれません。
記事を読む限り判断できないんですが、上に引用した狙いはインターン生に伝えたんでしょうか。伝えた結果これなら、伝わっていなかったか、そもそも学生の狙いがインターンに参加するだけかもしれないので、いくら期待をかけても無意味ですよね。
そのため、「期待を裏切られた」と感じるのはちょっとおこがましいかなって思います。勝手に期待をかけちゃったのは自分ですからね。
もっとも、給料16万でも、企業がその人に対し支払うコストは毎月20万を軽く超えちゃうんですが・・・。
まだ大学生にそこまで言わなくてもいいのでは
「まだ大学生なんだからそこまで言わなくてもいい」
こんなコメントをちらっと見かけました。
「バカ」とはっきり書いていますし、何しにインターンに来たのかわからない、完全に戦力外ということも書かれています。
まだ社会を知らない大学生なんだから、そこまで言わなくてもいいのではという意見なのでしょう。しかし、それは違うと思います。
大学生であろうが、インターン生であろうが、会社に来てくれた以上は、責任を持って育てたんでしょうし、記事を見る限りチャンスは与えていたのでしょう。
提供できる経験はなんでもさせてあげようと思った。それが、この規模で会社をやっていることのインターンへのメリットなんじゃないかと思った。やりたいことは何でもやらせてあげようと思った。ある程度の決裁権は渡そうと思った。つくりたい企画を作らせてみようと思った。少しくらい生意気な発言があってもいいくらいグイグイした姿勢を求めた。だけど、どれも思い違いだった。
どれだけ現場を経験させても、会議に参加させても、一向に企画は出てこなかった。発言もなかった。出席していても参加していない会議。発言の機会は与え、発言しやすい空気を作り努力はしたけど、ブレストがろくにできたことは一度もない。
インターン開始当初から、わかり易いアウトプットの道筋を示した。結果、アウトプットを形にすることができなかった。3ヶ月かけても。間に合わせようと努力する姿勢も最後までやらせてくださいという言葉は本人からは出てこなかった。僕の考えとしては、そのアウトプットをもって就職活動の武器にしてほしいと思っていた。だからアウトプットに拘った。どこまでもイージーモードな目標設定も本人のやる気がなければ形になることはないと学んだ。
最初の1ヶ月、2ヶ月はこれらのことにも目をつぶった。成長のため、仕事を見て覚えてもらうため、現場を経験してもらうため。何度も個別で飯にいき、その都度モチベーションを上げる努力をし、鼓舞してもなにも変わらない。言葉が響いてない。悔しいという気持ちを持ち合わせていない。向上心も持ち合わせていない。
それだけ期待をかけていたのでしょう。普通はそこまでしません。アルバイトと変わらない給料ですよ。
数万~十数万という給料しか払っていない相手に、一会社の代表がここまで手をかけるってそうそうないことです。
つまりどういうことかというと、たかが大学生と見ていたわけではなく、同じ仲間として見ていたからこその言い方だということ。
僕自身、この代表の方にもインターンの方にもお会いしたことがないので、人となり含めどういう事情があったのかは推測しかできませんが、関係性もわからずに「相手は大学生でしょ?そこまでいう必要がないのでは」って外野が言うのは変だなと思いました。
まぁ、文面だけ見ると、大学生にそこまで期待をかけるのは酷な話と思ってしまうかもしれませんが。
雇って欲しいのならそれなりに行動しろ
気になったのは次の文章。
最終評価の際、彼からはMTRLに就職したいと言われた。丁寧にお断りした。本気でそう思っていたなら、インターンの期間こそ社長である僕に雇いたいと思わせるようアピールするのが普通ではないかと思った。
そらそうでしょ。
どういう動機でインターンに臨んだのかは全くわかりませんが、少なくともここで働かせてほしいと思って来ていたのなら、行動は全然違ったものになるでしょう。
軽くダメ元で言ったのか本気で言ったのかはわかりませんが、仕事もお金も当たり前にもらうものだと思っているのなら勘違いも甚だしい。
そんな程度にしか考えてないのは甘いかなと思います。
だからゆとりはとか言われる。
下記記事を読んだ後に、今回の「インターンを雇って失敗した話」を読んだので、だから「ゆとり」って言われるのかな?と思っちゃいました。
まぁ、「ゆとり」って言葉は好きじゃないし、若者とおっさん世代の隔世からくる”価値観の違い“を、使いやすい「ゆとり」って言葉にしてるだけだと思うんですが。
多分あと5年経っても、その時の10代~20代に対して「これだからゆとりは」とか言ってそうな気がする。
ゆとりって言われないように頑張らなきゃいけないとか、そういう話は嫌いなんですが、ゆとり世代は失敗作ですかなんだと言う暇あったら、自分の人生自分で満足させる努力をしろっていう話。
今回のインターン話とは違うかもしれませんが、会社や国どうこうじゃなく、「自分の人生は自分でなんとかしなさい」ということ。
こんな本あるんだwww
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