やたら出店にコストがかさむことで有名な楽天ですが、実はそこまでコストがかからない”隠れプラン”なるものがあるらしいです。
それが「エンパワーメントプラン」というもの。これはサイトからも案内されていない隠しプランで、楽天から営業をかけられて初めて目にするプランだそうです。
つまり、案内されないかぎりはこのプランで申し込むのは不可能ということ。
その「エンパワーメントプラン」は、どうやら通常のプランよりお手軽に出店することができるみたいですが、一体どういうプランなのか調べてみました。
出店コストがかさむ楽天
これからネットショップを始めようと思う人にとって、まず選択肢に浮かぶのが楽天。
しかし、知っている人も多いかもしれませんが、出店手数料が高いことがネックです。
どのくらい高いかというと、まず楽天のプランには次の4つが存在します。
「スタンダードプラン」に冠マークがついてますが、確かにこのプランが一番多いです。月商100万超えが安定してくると、ロイヤリティの計算上スタンダードプランが1番安くなるからですね。
楽天は、売上によってロイヤリティが安くなる方式です。ロイヤリティというのは、売り上げた分から成功報酬的に、数%支払うみかじめ料みたいなもんです。
月商1000万近くなってくると、ロイヤリティは平均3%前後で済みますが、100万以下くらいだとこれが4%くらい取られます。
「スタンダードプラン」でなく「がんばれ!プラン」だと5~6%とられてしまいなかなかエグいです。
例えば、月に100万売り上げても、
- 月額固定費50,000円
- ロイヤリティで4%ほど
- ポイント1%
- クレジット手数料で3%
という費用がかかり、この出店コストを全て合計すると10%は軽く超えてしまうのです。
大体月商800万を超えてくると、ロイヤリティは10%を切ります。僕が運営している店舗は月商1,000万超えていたので、毎月大体8%いかないくらいでした。
とはいえ、この水準の店舗なんて多くありませんから、まぁ逼迫するわけです。
「なぜYahoo!ショッピングへの出店は成功しないのか」という記事でも言及しましたが、これが小さい店舗が楽天ではなくYahoo!ショッピングに流れる現状でもあります。
増え続ける楽天出店者数
これまでの楽天出店店舗の推移を見てみます。
出典:2014年2月14日発表 2013年度通期及び第4四半期スライド資料70ページ
楽天に出店する店舗は、ここまで右肩上がりできていることがわかります。
更に、2016年3月時点で44,876店舗と、2014年から更に3,000店舗近く増えています。
出典:数字で見る楽天
Yahoo!ショッピングがどれだけ無料化で頑張ろうと、STORES.jpやBASEがどれだけ個人に普及しようと、まだまだ楽天に出店する人が多いわけです。
もちろん、退店する店舗もいるわけですから、それを差し引いてもやはり楽天が人気だということがわかります。
集客力も、Amazonに匹敵するほどですからね。
エンパワーメントプランてのがあるらしい
それで冒頭に戻りますが、楽天にはどうやら「エンパワーメントプラン」というのがあるらしいです。
これは人に聞くまで全く知りませんでした。どうやら、楽天が「出店しませんか?」と営業をかける店舗に案内しているプランだそうです。
最初のプランを見てみると、そんなのどこにも書いてありません。
これは楽天市場の出店ページで確認できるプランで、案内されているものは「ライトプラン」「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の4つのみ。
積極的に出店する意思のある店舗には用意されていないプランだということがわかります。
それで、その「エンパワーメントプラン」というのはどういうものかというと、
- 月額費用:4,900円
- ロイヤリティ:一律固定で12%
- 初期費用:なし
- 決済費用:他プランと同様
というもの。
ただ、違う点が楽天GOLDが使えない点と、ECコンサルタントがつかないという点。
他に楽天大学という出店者が管理画面でオンラインで受講できる講座みたいなのがあるんですが、これは大して意味ないのでどうでもいい。
ECコンサルタントは、就いたところで広告しか勧めてこないのでこれもどうでもいい。
楽天GOLDってのは、HTMLやCSSを自由にカスタマイズできるオプションなのですが、これをどうとるかですね。デフォルトでは使えるHTMLやCSSに制限があるので、楽天GOLDを使うほうが表現の幅は広がります。
Amazonの大口出店が、月額4,900円+ロイヤリティ10~15%なので、そこに合わせてきた感じですね。月額は一緒ですし、ロイヤリティは間をとっているのでかなり意識しています。
出店コストはどうなるか
楽天出店にあたり、月額シミュレーションがあるのでそこで概算を出すことができます。
仮に月商50万だとしたらこんな感じ。
これとは別に固定費があるので、スタンダードだと+50,000円、がんばれだと+19,500円になります。
おお、月商50万ぽっちだとスタンダードはもう20%くらいコストかかるんですねぇ。。。がんばれでも20%近いです。
月商50万ぽっちじゃ採算が合わないのがわかりますね。
これが、エンパワーメントプランだとどうなるか。
- 月額:4,900円
- ロイヤリティ:60,000円
- その他は先程の試算結果と同じ
と計算すると、合計92,955円となりました。がんばれ!プランが月額足すと81,405円なので、あらら。エンパワーメントプランの方が高い結果に。
しかし、楽天GOLDのオプションをがんばれ!プランで使うと+10,000円なので、それだと91,405円。あまり変わらない感じ。
あまりメリットがわからないなぁ。。。月商50万以下の店舗を想定している感じでしょうか。
確かに、売れなければ4,900円の月額固定費だけなので、そこまで大きなリスクはなさそう。
とりあえず出店してみたい、売れるか売れないかは蓋を開けてみないとわからない。売れたら次のプランに移行すれば問題ない。
という感じでしょうか。
楽天の担当者も、お金をもっていない出店者に対して無駄な営業をすることなく、とりあえずエンパワーメントプランに放り込んで、売れなかったら1年でサヨナラ、売れてるようなら次のプランに案内すればいいわけですからね。担当はしなくていいわけだから。
おお、プロ野球の育成制度みたいなプランだ。。。
まぁ、これは楽天から声掛けされた店舗のみですから、このプランで出店するためには楽天から営業かけられるのを待つ他ありません。
最後に
そんなわけで、楽天は順調に出店数を増やしているわけです。
楽天の規模としてもある程度成熟に差し掛かっているような感じがしますし、出店店舗もここからさほど大きく変化することはないと思います(Yahoo!みたいなことしない限り)。
その中で、さらに成長を見込み、出店店舗を増やすためにはこういうプランも必要だったのでしょう。
エンパワーメントプランをいつから案内しているかはわかりませんが(多分ここ1~2年)、これでこの先どう変わってくるか、楽しみでもあります。
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