最近飼う人が増えてきているハリネズミ。ペットショップでの取り扱いも増えていますよね。
そんなハリネズミですが、いざ飼うとなったら何を準備していいのか戸惑う方も多いと思います。
今回は、ハリネズミを飼う時に準備すべきものをまとめてみました。
これからハリネズミを飼うことを検討している方は是非チェックしてみてください!
この記事の目次
1.飼育ケージ
ケージとは、ハリネズミを飼育するための飼育小屋です。ゲージではないので注意しましょう!
サイズは大体横幅60cmの奥行き45cmを最低限として選べば問題ないです。
ハリネズミのケージとして選ばれるのは、次のケージが一般的です。
- シャトルケージ
- ガラスケージ
- アクリルケージ
上記の他に、昆虫や爬虫類を飼う時に使われるプラスチックケージや、衣装ケースを加工したものが使われることもあります。
ただ、プラスチックケージは狭いですし、衣装ケースは値段は安いですが加工が必要なためあまりおすすめできません。
これまで使ってきたケージのレビューについては下記記事に詳しくまとめているので、知りたい方はチェックしてみてくださいね。
飼育ケージはどれを選べばいい?
シャトルケージ、ガラスケージ、アクリルケージのどれを選べばいいのでしょうか?
各ケージを比較するとこのような感じになります。
シャトル | ガラス | アクリル | |
---|---|---|---|
見た目 | ★☆☆ | ★★☆ | ★★★ |
値段 | ★★★ | ★★☆ | ★☆☆ |
重さ | ★★★ | ★☆☆ | ★★☆ |
保温性 | ★★☆ | ★★★ | ★★★ |
シャトルケージは値段が安く、軽いのが特徴です。逆に見た目や保温性はそこまで良くはありません。
ガラスケージは値段・見た目・保温性などどれも合格点レベル。
ガラスのため重いのが難点ですが、値段も機能もそこそこで問題なければガラスケージ一択です。
というか、よほどこだわりがなければ、ガラスケージ代表格のパンテオンで問題ありません。
パンテオン利用者は多いので、ケージのレイアウトも組みやすいです。
対してアクリルケージはハリネズミケージの最高峰に位置します。
アクリルケージはオーダーメイドから既製品まで多くありますが、どれも3万~5万ほどする高価格帯のものばかりです。
お金に余裕があるのであればアクリルケージが一番良いですが、そこまで・・・という方は先程のパンテオンで問題ありません。
ハリネズミのダニ対策について
ハリネズミはダニも繁殖しやすいので、ダニ対策も忘れず行いましょう。
ダニ対策に関しては、常にケージ内を清潔にすることも大事ですが、「ダニ捕りロボ」という置くだけでダニをおびき寄せて退治する商品がおすすめです。
ダニ捕りロボはベッドとかカーペットに使うものではありますが、自然由来の成分で作られており、化学性殺虫成分を一切使っていないのでペットにも使えます。
ダニ捕りロボで吸い寄せたダニは100%退治するというスグレモノなので、ケージ内に置いておくことをおすすめします。我が家では寝床の上に置いています。
ラージサイズとレギュラーサイズの2種類ありますが、縦15cm・横13.5cmのレギュラーサイズで十分です。
2.食事環境
ハリネズミに必要な栄養素は次の通りと言われています。
- タンパク質:30~50%
- 脂質:10~20%
- 繊維質:約15%
この他にビタミン、ミネラル、必須アミノ酸が必要と言われています。
上記の数字を元に、必要な栄養素に収まるように与えていきましょう。
ハリネズミは偏食しがちで、個体によって好き嫌いが激しいので、ペットショップやブリーダーに飼育環境を聞いて、それまで食べていたものを与えるのが無難です。
ハリネズミの餌について詳しくは下記記事にまとめていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
ハリネズミの餌はどれがおすすめ?
うちは生後半年前までは「SANKO ハリネズミフード」、半年以降は「ハーリーの主食」、「Fay(フェイ)」、「ロイヤルカナン 猫用 満腹感サポート」を与えています。
よく使われるハリネズミの餌を並べるとこんな感じになります。
フード | SANKOフード | Fay | Mazuri(マズリ) | ハーリーの主食 | ジクラアギト | ロイヤルカナン |
---|---|---|---|---|---|---|
たんぱく質 | 30%以上 | 30%以上 | 28%以上 | 34% | 42%以上 | 32%以上 |
脂肪 | 10%以上 | 9%以上 | 11%以上 | 7% | 11%以上 | 7%以上 |
繊維 | 9%以上 | 3%以下 | 13%以下 | 6% | 5%以下 | 14.9%以下 |
灰分 | 7.0%以下 | 不明 | 8.0%以下 | 8.0%以下 | 7%以下 | 9.7%以下 |
その他栄養素 | ビタミンA、D3、カルシウム、リンなど | ビタミンA、E、カルシウムなど | ビタミンA、B、E、ビタミンDなど | ビタミンA、D3、E、タウリン、リンなど | ビタミンEなど | ビタミンC、B、E、カルシウムなど |
我が家では、ハリネズミのフードはお試しパックを購入しています。
通常のフードパックは300gとか500g入っているため、2~3種類を混ぜて与えようと思うと1ヶ月で使いきれません。
1ヶ月以上経つと保存状態が心配なのでなるべく1ヶ月で使い切りたいので、その点100g単位で売っているお試しパックが非常に便利なんです。
フードのお試しパックは、楽天の「はりねずみんみん共和国」さんが非常に便利に買えます。
ハリネズミの餌の他にも、床材や砂も売っているので、毎回セットで購入しています。
ハリネズミのおやつを用意する
決して必須とまではいきませんが、野生のハリネズミは生きた昆虫を食べて生活しているので、ミルワームやコウロギを与えると喜びます。
飼い主になついてもらうためにも、おやつは結構大事ですね。
ハリネズミの餌皿・給水器
上のハリネズミの餌を入れるためのお皿は特になんでも良いです。ただ、皿が深すぎると食べづらくなってしまうので、適度に大きくて浅いものを用意しましょう。
次に給水器ですが、これまでの飼育環境で給水器を使っているなら、容易く給水器で水をあげることが可能です。
給水器の使い方を理解してくれない場合は、ハリネズミのエサ皿やヤドカリオアシスなどで代替可能です。
3.床材
ケージの床に敷くものを床材(とこざい?ゆかざい?)と呼びます。
ハリネズミは糞尿が多い生き物なので、ケージに床材を敷いておかないとあっという間に汚れてしまいます。衛生面を考えても、必ず敷きましょう。
また、ハリネズミは針葉樹にアレルギーが出てしまうので、必ず広葉樹を使いましょう。床材代わりに木の板を敷く方もいますが、針葉樹はアウトです。
我が家で使っている床材の詳しいレビューは下記記事にまとめていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね!
おすすめ床材1.コーンリター
我が家はメインでコーンリターを使っています。
名前の通りとうもろこしが使われている床材で、色も明るいですしかなり見栄えは良いです。
ハリネズミカフェなどもコーンリターを使用していることが多く、メジャーな床材です。
おすすめ床材2.くるみリター
くるみリターとは、くるみを使って作られた床材で、上の画像のようにポプラチップやコーンリターと違ってやや暗めの色が特徴です。
ハリネズミが歩くとザクザク音がするので、動いているのがすぐわかりますね。くるみで作られているだけあってかなり固いです。
素材がひんやりしているので、夏向けです。といっても、別にヒーターで温めれば良いので年中使っても良いと思います。
ホコリも出ないので、ハリネズミの体に優しい床材です。
おすすめ床材3.ポプラチップ
ポプラは広葉樹ですし、いい感じにパラパラしているのでホコリっぽくもありません。見た目も明るくこれは良かったです。
ハリネズミにとってもこれは動きやすかったのか、敷き詰めたチップを自分の巣に運んでバリケートを作っていました。
おすすめ床材4.広葉樹マット
飼った当初は広葉樹マットを使っていました。写真を見るとわかりますが、すごくふかふか感がある床材です。
この広葉樹マットはペットショップでも使っていましたし、慣れているとこのことでしばらく使っていたのですが、どうも体をポリポリ掻く仕草が多くなってきたので辞めました。
値段も安くて使いやすいんですが、床材入れ替えの時に粉塵が結構舞いますし、ハリネズミだけでなく人間側もアレルギーが心配になる床材です。
上記の他にも、100均の人工芝やペットシーツを使う方も多いようです。
インスタでハリネズミを検索すると、割とペットシーツ人口が多いみたいですね。
4.寝床
ハリネズミは狭くて暗い場所が大好きです。そのためケージ内に隠れる寝床を用意しておきましょう。
寝床は様々なものが販売されていますが、うちはハリネズミの隠れ家を使用しています。
この他に、形を自由に変えられるペットナチュラルバーや跳び箱ハウスも人気です。
5.回し車
ハリネズミは夜になると活発に行動し始めます。そのため、ケージ内には必ず回し車を設置しておきましょう。
ちゃんと夜になると回し車でカラカラ回し始めますよ。運動不足やストレス解消にもなるので、回し車は必須です。
なお、ハリネズミはなぜか回し車を回しながら糞尿しまくるので、回し車は毎日お手入れしましょう。
回し車は主にプラスチック製かメタル製かを選ぶことができます。
メタルサイレントはサイズが大きいので置けるケージを選びます。また、金網なのでハリネズミが足を挟んで怪我するリスクもゼロではないです。
一応メタルサイレントには専用のメンテナンスシートがついており、これをつければ怪我リスクも防げますし、糞尿の掃除も楽になります。
メタルサイレントかサイレントホイールを選ぶかは、ケージのインテリアと合わせて考えても良いですが、メタルサイレントを選ぶならメンテナンスシートも使うことをおすすめします。
また、メタルサイレントもサイレントホイールも、一回り小さいタイプもありますが大きいサイズを選んでおきましょう。
6.砂場
砂場は必須ではありませんが、置いておくとここでおしっこやうんちをしてくれます。
また、ハリネズミは砂浴びといって砂に体をこすりつけて体についた汚れやダニを落とす習性があります。
砂を入れる場所は、小動物専用の砂置き場、ケースを半分にカットしたもの、猫瓶など様々なものが使われています。
寝床で紹介したハリネズミの隠れ家を逆さまにして設置するのもアリです。
我が家では現在、調理に使うトレーを使っています。
「野田琺瑯 ホワイトシリーズ」の浅型のSサイズは、横幅14.5cmの奥行き20.8cmとちょうどいい大きさです。高さも4.4cmで、高すぎないのでハリネズミが問題なく出入りできます。
これはかなりしっくりきたのでずっと使っています。
ハリネズミの砂は、一番おすすめはくるみ砂です。
これは燃えるゴミにも出せますので後処理も楽。
猫用の砂など、濡れると固まるタイプは絶対に使わないようにしましょう。誤って飲み込んだ際、体の中で砂が固まってしまいとても危険です。
ハリネズミ用の砂は上記のくるみ砂か、燃えるゴミには出せませんが値段が安いSANKOのハリネズミサンドがおすすめです。
7.温度調節
ハリネズミはとても温度・湿度に敏感な生き物です。
はりねずみは30度を超えると夏眠、20度を下回ると冬眠に入ってしまいます。
夏眠も冬眠も命にかかわることなので、温度や湿度は徹底して管理しなければなりません。
理想の温度は26度前後、湿度は40~60%と言われています。
ケージ内の温度・湿度をチェックするためにも、ケージ内には必ず温湿度計を設置しておきましょう。
ハリネズミの温度・湿度対策については、別記事に詳しくまとめましたので、詳しく知りたい方はチェックしてみてくださいね!
冬の温度対策
冬の寒さ対策には、次の暖房器具を準備しておけば問題ありません。
- ヒーター
- 暖突
- サーモスタット
- うさ暖や布団(必要に応じて)
ヒーターで下を暖める
まずは、床を暖めるためのヒーターを用意します。
人間でいう床暖房みたいなもんですね。これをケージの下に敷いて使います。
うちはピタリ適温プラスの3号を使っています。ピタリ適温プラスはペットヒーターの中でも定番なので使いやすいです。
大きさは様々ありますが、ケージに合わせたサイズを使いましょう。うちは奥行き45cmのケージを使っているので、3号サイズがちょうどよいです。
ケージの外に敷くので、中がどれだけ暖かくなるか不安かもしれませんが、触るとほんのり暖かいです。
ハリネズミもこんな感じでぺたっと寝そべって暖を取ります。
暖突でケージ内を暖める
ケージ全体を暖める暖房器具は暖突が定番です。これは遠赤外線ヒーターで、ケージの天井に取り付けることで上からケージ内全体を暖めることができます。
暖突は使っている方も多く定番商品ですね。ハリネズミのケージならMサイズが適しています。
サーモスタットで温度調節を行う
暖突をつけると結構暖かくなりますが、時期によっては暖かくなりすぎな時があります。
例えば寒暖差が激しい春先など、夜は必要ですが日中に暖突をつけておくとケージ内が30度近くにも上昇するため危険です。
かといって、毎度毎度温度を見ながら暖突の電源をオンオフするのも大変です。
そこでサーモスタットを使います。
サーモスタットは温度調節ができる装置で、暖突とつなげて使うことで、設定した温度を超えると自動で暖突の電源をオフにしてくれるというかなり便利なアイテムです。
機械が自動でオンオフしてくれるので、ケージ内を25~26度辺りの理想の温度に保っていてくれます。
真冬はヒーターの補助を使う
真冬のかなり寒い時期は、ヒーターの補助にうさ暖を使うことをおすすめします。
その名の通りうさぎが暖をとるためのアイテムですが、ハリネズミも喜んでこの上で寝ます。
ハリネズミにはあたたかすぎるので、ペットシーツや布を巻いたりして直接乗らないようにしましょう。
うさ暖以外にも、寝床にハリネズミがくるまることができる布を置いておくと、寒い時はくるまってくれます。
夏の温度・湿度対策
冬は湿度も低いため、湿度対策はそこまで必要ありませんが、夏場は湿度も上がりがちなので湿度対策が必要です。
とはいっても何か新しい器具が必要なわけではなく、夏はクーラー一択です。
ドライモード(除湿機能)にしておけば、温度も下がりすぎず湿度も取ってくれるので便利です。
8.飼育本
ネットでも色んな情報が手に入りますが、手元にハリネズミの本を一冊置いておくと万が一の時心強いです。
後は、動物病院にはしっかり通い、何かあったらいつでも獣医師さんに相談できるようにしておきましょう。
9.心構え
最後に心構えです。
これは、何があっても最後まで面倒を見るという覚悟。何もハリネズミだけでなくペット全般にいえることですね。
ハリネズミは懐きませんし、夜行性で昼は寝ています。診てくれる動物病院も少ないです。
それでも大丈夫ですか?誰かと同居しているのであれば、同意は得ましたか?
お世話する時間はとれますか?
見切り発車で飼うと、飼い主もペットも不幸になってしまいます。
飼う前によく考えてから飼いましょう。
最初にかかるお金はどのくらい?
以上、ハリネズミを飼う時に最初に準備しておくものを紹介しました。
それでは、これらを取り揃えようと思うといくらかかるのか、計算してみました。
暖房器具はここで紹介したものが最低限の設備です。うさ暖は使わないまでも、ヒーター・暖突・サーモスタット・温湿度計は使うことを前提とします。
ヒーター:3,400円、暖突:5,880円、サーモスタット:4,298円、温湿度計:666円なので合計14,244円です。
金額を安く抑えたい場合
- ケージ:シャトルマルチ60 3,880円
- 餌:Mazuri 1,080円
- 床材:広葉樹マット 913円
- 寝床:とびばこハウス 1,400円
- 回し車:サイレントホイール ビッグ 2,300円
- エサ皿:100均
- 水皿:100均
本当に安く済ませようと思うと、上記の金額の合計で約24,000円で揃えることができます。
ハリネズミを実際に飼っていると、あそこをこうしたいとかこれを置こうとか色々出てくるので、とりあえず最低限の物を準備するのも手でしょう。
砂場もここでは置いていません。
最初にそこそこの物を揃えたい場合
- ケージ:パンテオン 13,110円
- 餌:Mazuri 1,080円
- 床材:コーンリター 1,300円
- 寝床:ペットナチュラルバー 1,980円
- 回し車:サイレントホイール ビッグ 2,300円
- 砂場:トイレ&ハリネズミサンドのセット 2,200円
- エサ皿:100均
- 水皿:100均
最低限だけはさすがにかわいそうだから、そこそこの物を揃えたいという場合、上記合計で約37,000円になります。
ここでは砂場も設置しています。これだけ揃えれば、インスタで人気のハリネズミ飼いさん達の飼育環境と近くなります。
とにかくこだわりたい方
- ケージ:アクリルケージ 47,500円
- 餌:Mazuri+Fay 2,760円
- 床材:コーンリター 1,300円
- 寝床:ハリネズミの隠れ家 2,700円
- 回し車:メタルサイレント 3,700円
- 砂場:ハリネズミの隠れ家 2,700円
- 砂:ハリネズミの砂浴び用砂 880円
- エサ皿:ハリネズミディッシュ 380円
- 水皿:アクリルケージに付属
上記を揃えると約76,000円と結構高価になります。
アクリルケージは、オーダーメイドするとこの値段より多少安くなる場合もありますが、飼育環境にとことんこだわりたい方は揃えてもよいかと思います。
ハリネズミの餌も、偏食防止のため人気のMazuriとFayの2つを用意しました。
砂場にハリネズミの隠れ家を使っていますが、これをひっくり返して砂場として使うと、寝床として使っているハリネズミの隠れ家と並べて使えるのでスッキリします。
最後に
以上、ハリネズミをこれから飼う方向けに、最初に用意しておけば良い物を紹介しました。
ハリネズミは生態すべてが解明されているわけではないので、現状最適解がありません。
個体によって合う合わないもあるので、見極めながら使っていきましょうね!
ブリーダーさんや獣医師さんなど、相談できる方を身近に置いておくことも大切です。
特に、飼い始めは必ず健康診断に行って、獣医師さんに色々相談しておくと今後が楽ですよ!
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